召喚少女別伝
【第二章】
レッジと冒険。作れすんごい魔法剣
「おーっす、先輩。無事進級出来たんだな。いやー、落第予定者リストに
先輩の名前を見つけたときにはどうしようかと思ったぜ」
「ごめんレッジ。なにか心配掛けたみたいで」
「なに、俺は先輩が進級できるって信じてたぜ。
なんたって、あのビルギエッタ先生の弟子だもんな」
「不肖の弟子だけどね。それに、師匠が僕の面倒を見てくれてるのも
父さんとのつながりからだし」
「先輩って、そこまでひどくないと思うんだけどな…」
僕の名前は、コオル・リアロ。マグストラタム学園の召喚学科３年生だ。
修練所での補講の結果、僕は無事とは言い難いけど、三年生に進級できた。
三年生になってから、僕の生活は、ギルドでクエストを引き受けてそれをこなしつつ
講義に出て勉強することの繰り返しになった。
そういえば、家に帰ってゆっくり寝るなんて、何日前にしただろうかな。
ほとんど講義の合間に教室で仮眠をとってるだけだよ。
だけど、こうでもしないと、とてもじゃないが卒業出来る気がしない。
とにかく、勉強して修練して点を稼いで、ストレートで卒業しないと。
「あのさ先輩」
「なに？」
「飯おごってくれる？」
「おごってくれるって…一体どうしたの。
レッジだって特待生なんでしょ。もしかして、クエストは受けてないの？」
「いや、クエストは普通に受けてるさ。
だけど、ほら、俺魔法剣専攻だろ。やたらに武器や防具や触媒にお金が掛かってさ」
「あー、それはあるかもしれないね。だけどレッジはお金掛けすぎだよ」
「そんなことないぜ。やっぱ、命を預けるものだもんな。
常に最高の物でなきゃ」
「それはそうだけど、クリスくんと比べてもレッジはこだわりすぎじゃないかなぁ」
「クリス先輩は召喚術師だろ…」
レッジは、僕の後輩にあたる、魔法剣士専攻の学生なんだ。
後輩なんだけど、年齢は僕と同じだよ。
そういえば、アスレイやクリスは、僕より年上だね。
「そりゃ先輩が飛び級してるだけだって。
そんなことよりさ、先輩、これ見てくれよ」
「これって…魔法剣の素体だね。…へえ、これって絶対高かったでしょ」
「おかげで今月もピンチでさ。それで、先輩に飯をおごってもらおうと思ってさ」
「そんなこと言っても、僕だってクエストをこなすためのアイテムを買うので
経済的には厳しいんだよ。…あ、そうだ。今日はルテジアが
料理をしに来てくれる事になってるから、うちで食べるんでいい？」
「ルテジアお姉さまの料理？それならすぐ行くぜ」
「…レッジって、魔族を嫌ってなかったっけ」
「ルテジアお姉さまは、半分人間だろ、全然問題なし」
「ならいいけど…」
「ごちそうさま〜いやー美味かった」
「ごちそうさま。ありがとうルテジア」
「どういたしまして。だけど、後片付けまではやらないから
そっちはあんた達でやりなさいよ」
「わかったよ」
今日はルテジアが家に料理を作りに来てくれる日なんだ。
ルテジアも自分の家を持っていて、自分の仕事も忙しいから
毎日料理をしてくれるというわけにはいかないけど、時間を見つけては
料理を作ってくれる。
昔はうちに住んでたんだけど、母さんが行方不明になるころに自分の家を持って
出て行ったんじゃなかったかな。
それでも・・・
「あのさ、言いたくないんだけど」
なんでしょうルテジアお姉さま。笑顔がとっても怖いんですが。
「年の話をしないって、何回言ったらわかるのかなあ？」
「な、何にも言ってないよ。ちょっと心で思っただけじゃないか」
「心で思うのも禁止！考えるのも禁止！とにかく年齢の話題はするな」
「ルテジアさんって、１９歳って聞いてるけど」
「あ、まあそうなんだけどね。公式には」
「レッジ、その話題はもうやめてよ。ルテジアも嫌がってるし」
「最初に振ったのはあんたでしょうが」
「それで、先輩、飯おごってもらったばっかりで悪いんだけどさ」
「何？また明日もおごれっていうの？」
「いや、そうじゃなくて、学園の帰りに見せただろ。魔法剣」
「ああ、見せてもらったよ」
「へー。さっそくあれを見せびらかしてるんだ」
「…もしかして、あの魔法剣の素体って、ルテジアから買ったの？」
「いや、買ったのはトビー爺さんの店だけどさ」
「あれ、私の所に魔力付加の相談に来たんだけど、私は薬のことはわかっても
魔力付加って苦手だから」
「回復系の魔法を掛けてアンデッドキラーにしようかとも思ったんだよ」
「ヒール系の魔法剣は使い道が広いからね」
魔法剣にもいろんなタイプがある。
剣そのものに魔力を付加するタイプ。触媒を作用させて適時魔法効果を持たせるタイプ。
そして、術者がその都度魔力を送ることで魔力付加するタイプ。
使い勝手は一長一短だ。剣そのものに魔力付加すれば、使い手も触媒も消耗しないかわり
一定の効果しか発揮できないために、汎用性が減る。
触媒タイプは、使用者の消耗がなく、ある程度の汎用性も確保出来るけれど
必要な触媒を別に持ち歩かなければならない。
そして、術者がその都度魔力付加する魔法剣なら、汎用性は高いけれど
術者は魔法と剣の両方に力を使う必要があるから、消耗が激しくなる。
一般には、強力な魔法剣素体は触媒タイプにして、一般的な魔法剣は
剣そのものに魔力を付加している。魔法剣の使い手は、魔力の強化より
剣術を磨くほうが本務だからね。自分で剣に魔法を与える勉強する暇があれば
剣技を磨く方が合理的なんだ。
そして、ヒール系の魔法剣は、怪我をしたときに自分を回復するのにも使えるし
闇の力を持つモンスターと戦うのに、攻撃力を増せるというので人気が高い。
魔法剣士なら一本は持っておくべきものとされている。
「それぐらいの魔力付加なら、僕にでも出来るよ。
触媒さえあればすぐやってあげるね」
「いや、それはもういいんだ。新しいのを買ったから」
「え？また買ったの」
「ああ、つけだけどな。今寮においてあるんだ」
「そ、そうなんだ…ローンを組んで、支払いは大丈夫なの？」
「ああ、ちゃんと返済出来るようにクエストの計画も立ててあるしな。
そんなことより、こいつの魔力付加の事について相談に乗って欲しいんだよ」
「魔力付加っていっても、高い魔法剣じゃ専用魔法を付加するのももったいないし
レッジじゃ、触媒タイプの魔法剣を使うほど、お金がないんじゃないかな…」
「いや、触媒タイプでいいんだ」
「え？でも、触媒は自分で買うんだよ」
「俺、出来るだけ早く王国軍に入るつもりなんだ。
だから、王国軍ですぐ使えるような剣を今の内に作っておきたいんだよ」
「あー、王国軍に入れば、触媒は支給してもらえるだろうね。
だけど、レッジが卒業するのって再来年の話でしょ。
気が早すぎるんじゃないかなあ」
「…」
「あれ？どしたのレッジ。アタシの方見て」
「い、いや、…まあ、この話は後にしようか」
「アタシの事は気にしなくていいわよ。…あんたみたいな子、学園には少なくないって知ってるし」
「俺が学院に入ったの自体、王国軍に入るためだからな」
「それは前に聞いたよ」
「それで、最近噂に聞いたんだけど、近いうちに王国軍の募集があるらしいんだよ」
「募集っていっても、最近卒業生が王国軍に入ったばかりでしょ。
さすがに募集はないんじゃないかなあ」
「そうでもないみたいだぜ。…ヒルデガード参謀が学園に顔を出してるらしいしな」
「うーん。レッジの取り越し苦労だと思うけど…まあ、確かに、触媒タイプの
魔法剣も一本ぐらいいいのを持ってて損はないよね」
「決まりだな。それで、こいつを魔法剣に仕立てるのを手伝って欲しいんだよ」
「それならいいよ。それで、鍛えるための晶石はどうするの？」
「それを今から集めようと思ってさ。それに、先輩も召喚術の修練が必要なんだろ。
俺と一緒に修行しようぜ」
「あ、それいいわね。レッジ、こいつをよろしくね」
「任せてくださいルテジアお姉さま」
「あのさルテジア。僕の方が先輩なんだけど…」
「あのね。レッジはちゃんと先のことを考えてるの。
あんた、ちゃんと先のことは考えてる？
いくら携帯電話であの子達を呼べるようになったからって
召喚術師としての修練が出来てることにはならないのよ」
「わかってるよ。だから、クエストはお金と実戦訓練のためにやって
学園の講義を受けながら召喚術を磨いてるんじゃないか」
Pipipi…。
「あ、時間だ、まどかに電話しなきゃ」
「先輩、電話しなきゃって？」
「１人に一日一回は、電話して向こうの様子や
こっちの状況を説明するようにしてるんだよ。
まどか達も、それぞれ生活のパターンが違うみたいだから
電話を掛けていい時間を聞いて、その時間に掛けるようにしないとね」
「ふーん。召喚術師も大変なんだな」
「仕方ないよ。召喚獣っていっても、普通の人間みたいだし」
「なあ、先輩、それって本当に召喚獣なのか？」
「どうなんだろう？本人が召喚獣だっていうから、それでいいんじゃない？」
「そんないい加減な…ま、そういう事情なら俺がいてもじゃまみたいだな。
また、先輩の都合のいいときに声掛けてくれよ。都合つけるから」
「うん、じゃあまたね」
こんな会話を交わした後、数日間は、僕が受けていたクエストや
僕の弱点になっている部分の集中講義なんかを受けて過ごした。
レッジの手伝いを、他のクエストや、受けるべき講義で中断しちゃ悪いからね。
そうして、準備を整え、みんなの都合に合わせて召喚して、僕はレッジと一緒に
晶石集めに出かけることにした。
「今度のクエストは一体なにかな〜」
「何っていうほどのクエストじゃないよ卯月」
「魔法剣を作るのか。楽しみ」
「…お、お姉ちゃん…これは…材料集めだから…」
「材料集めも〜なかなか楽しいですよ〜」
「マキさん、材料集めといっても、晶石を探すのはあんまり楽しくないよ」
「それで、一体どんな魔法剣を作ることになったんですか？」
「どんな魔法剣にするかって…今レッジと相談している所なんだよ」
「魔法剣を作るなら一撃必殺の剣がいい。聴診器では剣の意味がない」
「そんなことないよ。軽くて扱いやすい剣にしなきゃ。力は鍛えれば強くなるでしょ」
「腕を磨けば威力のある剣も自在に扱える。剣は威力だ」
「扱いやすさだよ」
「ふ、二人ともそんなところでけんかしないでよ。
とりあえず、使うのは晶でも卯月でもなくて、レッジなんだから」
「それじゃ、キミが使う剣は、どんなのがいいと思う？」
「そうだ。おまえが自分の護身用に使う剣だと思って、考えてみろ」
「僕は召喚術師だから剣は使わないよ。
身を守る必要があるとしても、魔法を使うからね」
「私たちが何を言いたいかわかってない」
「それ、答えとしてずるいと思う」
「卯月も晶も無茶言い過ぎ。この子に詰め寄ったってしょうがないじゃない。
アピールするなら、レッジくんにしなきゃ」
「メスなら〜切れ味が命です〜」
「あ、あの…私は…刃物は苦手ですから…」
「なあ先輩。いつもこんな調子なのか？」
「まあ、いつもこんな感じだけど、どうしたの？」
「…なんか、普通だなって思って」
「普通なら問題ないのか」
「いや、そういう問題じゃねーよ」
「ならどういう問題？」
「いや、先輩が困ってないんだったらいい」
「それで、レッジ。おまえは一体どういう魔法剣を望んでるんだ？」
「それだよ。どんな魔法剣を作るつもりなのか教えてくれてもいいじゃない」
「それは先輩に任せてるんだ。な、先輩、すごい魔法剣を作ってくれるんだろ」
「なんだ、結局キミが決めるんじゃない」
「決めるっていうか…触媒依存の魔法剣を作るんだから、触媒になじみやすいことが
大切なんだ。威力重視にするのも、扱いやすくするのも、触媒しだいかな。
だけど、レッジには、威力重視の方がいいと思うんだ」
「ほら、やはり剣は威力」
「うー、それ絶対納得出来ない。なんで扱いやすさが重要じゃないんだよ」
「魔法剣の善し悪しは使う人しだいだからね。
レッジみたいに、毎日剣を振ってるのなら、多少扱いづらくても
体が慣れると思うよ。それより威力がなきゃ。
卯月みたいに、スピード重視の戦闘スタイルなら、命中率が命だけど
レッジの戦いのスタイルは、破壊力重視だからね」
「そんなところまで見てたんだ」
「そりゃ、召喚術師は、召喚獣に合わせた戦闘を考えないとね」
「と、先輩ストップ」
「え？どうしたのレッジ」
「そろそろ、触媒も集まったよな」
「ああ、そうだね。あとは帰って強化するだけだよ」
「それでさ先輩、相談なんだけど、５人には、一旦帰ってもらえないかな」
「え？どうして」
「修練をかねてって言っただろ。ちょっと、先輩１人の力で、どこまでやれるか
見てみたいんだよ。…ここらあたりって、俺が普段から練習してる場所で
よく知ってるんだ。
精霊力の強い場所もあるから、召喚の練習も出来るだろうしな」
「うーん。だけど、無理言って来てもらってるんだし、みんなに悪いよ」
「そうそう、だめだって言うのに無理矢理呼び出すんだから」
「悪かったよ卯月」
「…もう怒ってないよ。そういう事情なら、仕方ないって」
「つまり〜呼び出された当初は〜怒ってたんですね〜」
「そりゃお風呂にいるときに呼び出されちゃ怒るって」
「携帯電話持ってお風呂に入ってたの？」
「違うっ！風呂場においてあった携帯に着信したんだよ」
「びっくりした…」
「お、おねえちゃん…なにを想像したの…」
「…先輩…」
「知らなかったんだから仕方ないじゃないか。と、とにかく
しばらく戻ってもらってていい？」
「だからもう怒ってないって。じゃあ、また帰りには呼んでね」
「それでは〜二人きりでごゆっくり〜」
「危なくなったら呼んでくださいね」
「…え、えと…ではまた…」
「今日は楽しかった。また呼ぶ」
ふぅ…携帯電話のバッテリーもまだ十分あるな。これなら大丈夫か。
「また失敗か」
「…うう…なんでだろう？呪文も魔法陣も間違ってないはずなのに…」
「俺には召喚術の詳しいことなんてわからないけど、ここって精霊力はあるんだろ」
「うん。ここは水の精霊力の強い場所だよ」
「そういう事はわかるんだな」
「そりゃ、召喚術師になるための勉強してるからね。
精霊力を感じ取るのは召喚術師の基礎的な技術なんだ」
「感じ取れても操るのはまた別の技術ってことか」
「そうだね」
「と、せっかくだから先輩、ちょっと遺跡の冒険にでもいこうぜ」
「遺跡の冒険って、モンスターが出たらどうするんだよ？」
「それを感じ取りながら走るのも修練のうち。召喚術師だって
体を鍛えてないと、冒険の旅なんて出来ないぜ」
「それもそうか。じゃあ、いこうかレッジ」
「走るぜ、ちゃんとついてこいよ」
「は、早すぎるよレッジ…ちょっと待って」
「俺は流して走ってるんだぜ。先輩が鍛えてなさ過ぎなんだよ」
「そ、そんなこといったって、夜もあんまり寝てないのに…」
「先輩、いつか絶対からだ壊すぜ」
言われても困る。僕は卒業するために講義とクエストで必死なんだ。
そういえば、ゆっくり寝てる時間って、携帯電話を充電してる時ぐらいかな。
「ほら先輩…」
「…！レッジ！右っ！」
「右？って…な、なんだこいつ」
「確か…古代の自動機械だ」
「よっしゃ、腕試しだ、おれがやっつけてやるよ」
「僕は援護に回ろう…あ、しまった。後ろからもきた」
「挟み撃ちかよ…」
「レッジ、あのさ、みんなを呼んでいい？」
「呼んでいいって・・しょうがないだろ、先輩は召喚術師なんだから
あいつら呼ぶのって、俺が剣を使うようなものなんだから」
「うん、…みんな、すぐに来て。モンスターが現れたんだ」
単体の巨大モンスターか。こういう場合は、一気のコンボ攻撃で仕留めてやる。
まどかの攻撃で空中に浮かべて回避不能にしてから、マキさんの支援魔法で
防御力を落とす。あとはまどかと晶と結の集中攻撃を加えれば一撃で粉砕だ。
…僕が何もする必要もなく、１ターンキルで勝負はついた。
「レッジ、そっちは大丈夫？」
「あ、ああ…なんとかな。先輩が教えてくれなかったらやばかったぜ」
「こっちは楽勝。でも、レッジってすごいね」
「ほんと。私たちが５人がかりだったのを、１人で倒したんだ」
「いや、むしろあんたらの方が驚きだよ、ほとんど瞬殺じゃないか」
「５：１の戦いなら、これが当然」
「…あ、あの…指示が…的確だった…おかげですから…」
「それより〜あまりのんびりしてると〜剣を鍛える暇が〜なくなっちゃいますよ〜」
「そうだね。レッジ。今日はもう帰ろうか。
帰ったらすぐ魔法剣を鍛えてあげるよ。」
「ああ・・そうだな。サンキュ先輩。魔法剣が出来たら
また、修行につきあってくれよ」
「いいよ」
「新しい魔法剣に、早く慣れたいしな」
「だけど、それを使うのは王国軍に入ってからだろ。
クエストをこなすのには、今までの剣を使った方がいいと思うけどなぁ」
「俺だって、いつ王国軍に入るかわからないんだぜ。戦況が悪化したら、在学生だって
募集されないとは限らないだろ」
「それは縁起でもないよ」
「…ごめん。悪かったよ」
とりあえず、レッジの剣の強化は上手くいった。
あれからレッジは、今まで使ってた魔法剣をおいて、これを授業でも使ってるらしい。
でも、なんでレッジはあんなに思い詰めたように剣を振るうんだろう？
まだレッジが卒業するのは先の話なのに。
「だけど、キミは今年卒業を目指さないとね」
「サポートはしっかりしてあげるから、ちゃんと勉強する」
「おねーさんも、召喚術を教えてあげるわけにはいかないから〜」
「契約したが、無駄な召喚は困る。効率的に召喚する。それがお互いのため」
「……あの…その…ええと…」
「言いたいことがあったらはっきり言う」
「…必要なことがありましたら…なんでも…遠慮無く…言ってくださいね…」
「うん、ありがとう」
そう、僕の方がレッジより先に卒業するはずなんだから、僕の方が必死にならないといけないよね。